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2017年度 研究トピックス

JAXAのロケットを安全に

システムの創生部門・北村圭一准教授のグループでは、ロケットや航空機に関わる研究を進めています.衝撃波を正確に捉える流体計算法を開発,これを使ってJAXAのイプシロンロケットの安全な飛行を打ち上げ前にシミュレーションし,宇宙科学奨励賞、日本流体力学会竜門賞を受賞しました.空飛ぶ車の話題ではNHK『ニュースウォッチ9』にも出演しました。

金属のき裂に迫る

材料設計工学コース・梅澤修教授のグループは、航空宇宙、超電導、核融合炉などの極限的な温度環境や、自動車のエンジンなど高圧で繰り返しが多い環境において、金属に亀裂が生まれるメカニズムを解明しました。また、これをテーマとした研究部会を立ち上げ、企業の技術者の間の情報交換を推進しています。自動車技術会創立70周年記念表彰も受賞しました。

船の評価技術で国際賞

海洋宇宙システム工学コース・日野孝則教授のグループは、船舶の流体シミュレーションを研究し、実際に海を航行する船の省エネ性能の高精度な評価技術を確立しました。これに対して、ドイツWeinblum財団より、Georg Weinblum Memorial Lecturershipが授与されました。同分野に功績があった研究者1名に毎年贈られるもので、日本人としては7人目です。

毛髪再生が世界的な話題

物質とエネルギーの創生工学コース・福田淳二教授のグループは、毛髪を作り出す毛包組織を効率よく大量に作り出すことに成功しました。現在、文部科学省地域イノベーション・エコシステム形成プログラムに採択され、脱毛症患者自身の細胞を用いた毛髪再生に取り組んでいます。読売新聞や朝日新聞、BSフジのガリレオXなどで取り上げられました。

イオン液体で文科大臣表彰

先端物質化学コース・渡邉正義教授は、蒸発しない、燃えない、熱安定性が高いといったユニークな特徴をもつイオン液体の研究で、文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞しました。この液体は特殊な電気化学的性質を備えており、新しいリチウム電池、アクチュエータ、燃料電池、自己治癒材料、CO2分離膜、フォトニック材料などへの応用が期待されています。

新しいゼオライトの合成に成功

先端物質化学コース・窪田好浩教授らのグループは、新しい構造をもつゼオライトの合成に成功、YNU-5と命名され、国際登録されました。無数の小さな孔が空いた石「ゼオライト」は、有害ガスを分解する環境浄化触媒として注目されています。YNU-5は高性能で、合成も簡単なため、様々な応用が期待されており、多くの新聞で報道されました。

超高効率な電気エネルギー変換

電気の直流と交流の間の変換効率99.9%を目指した研究が、科学研究費基盤(S)に採択されました。電気電子ネットワークコース・河村篤男教授のグループは、ワイドバンドギャップ半導体パワーデバイスとして、独自のHEECSインバータを用いることで、既に99.5%を超える効率を達成しています。再生可能エネルギーや電気自動車などへの応用が期待されます。

万能量子ゲートの操作に初めて成功

物理工学コース・小坂英男教授のグループは、「幾何量子ビット」と名付けられた新しい量子ゲート操作技術を開発し、室温環境で、多くの量子ビットを安定して操作することに世界で初めて成功、Nature Communications誌に論文が掲載されました。これにより、量子コンピュータ、量子通信などの量子テクノロジーが一気に加速すると期待されます。

データ分析手法で受賞

数学教育分野・黒木学教授は、ものごとの因果関係を統計数学的に解決するためのデータ解析法(多変量解析法)に取り組んでいます。このたび、データマイニングなどの分野で使われる分類手法(k-means法、そこから拡張したk-planesクラスター分析法)を改良し、分類結果を可視化したことが高く評価され、日本経営工学会論文賞を受賞しました。